校長通信No.8

子育て四訓

加 藤 博 史  

 わたしは文書を読むとき大切だなとか、いいことが書いてあるなと思ったところには色の線を引いていきます。この文書では、ほとんどに線がつきました。わたしが気に入った文書です。だから、内容は全くの受け売りです。

「子育て四訓」は山口県下に住む教育者のA氏が長年の教育経験を踏まえてまとめたもの。

    子育て四訓

 1.乳児はしっかり
      肌を離すな

 2.幼児は肌を離せ
      手を離すな

 3.少年は手を離せ
      目を離すな

 4.青年は目を離せ
      心を離すな

 子供たちの問題行動が、人間愛、親子愛の欠落に起因している部分が多いと痛感させられた。 問題行動の背景に愛情不足や親子の分離不安があり、いわゆる、親や社会に対する“甘え”がある。しかし、そうした子供たちに「甘えるな!」といってみても、そうせざるを得ない過程を経てきている。親としても教師としても社会としても、そこに目を向けることが必要であり、「形態はちがっても親子の関係を見直す必要がある」

    乳児はしっかり肌を離すな
 胎児期には、文字通り母子は臍の緒でつながり、羊水の中で守られている。出生と同時に赤ちゃんは外界にさらされ不安になる。その心の安定を保つためにも、しっかりと肌と肌を触れ合わせることが大切だ。
 サルの子育てで言えば「抱いてちょうだい」の時期である。
 人間は生まれて一年間はほとんど受身の状態である。二足歩行ができるまでは、母親の胸は“子宮”の延長であり、しっかり抱かれることによって、赤ちゃんは「守られている」「かわいがられている」と無意識のうちに感じ、信頼し安心するのである。それが、愛情や信頼、情緒安定、他人を思いやる心など、人間形成の基盤になる。
 乳児期の親子の接触は社会的にも支援・応援していく必要がある。

    幼児は肌を離せ 手を離すな
 幼児は乳離れをするが、一気に離すのではなく、常に親がそばにいることで、「心配しなくてもいいよ」という安心感を与えることが大切だ。サルの子育てで言えば「下ろしてちょうだい」の時期だ。ちょっと周囲のものに注意や関心があり、自立させるための第一段階だ。自立に目覚める幼児期は、完全な保護から社会に向いて一歩を踏み出す時期といえる。
 最近では、『子供の自立』と称して、実際には、親が子育てを放棄する口実に使われていることが多い。子供を施設に預けっぱなしにするなど、自分で産んだ子供との絆をきりたがる傾向さえ見受けられる。『子供への愛着が湧かないうちに預けた方が良い』と零歳児保育を語っていた母親がいた。
 昨今、子育ては苦痛なもの、苦しみを伴うものという感覚を植えつけ過ぎ、安易に生きることが奨励されすぎてはいないだろうか。本当の生きる喜びとは、親子の絆を大切にし、温かい家庭を作り、その延長として健全な社会を形成していく、そうした家庭の社会的意義について考えたいものである。

    少年は手を離せ 目を離すな
 少年は、友達との付き合いによって社会性が育つ時期なので、ここではしっかりと手を離し、活動範囲を広げてやらないといけない。ただし、いろんな危険があるので、目を離してはいけない。サルの子育てでいえば、『一人にしてちょうだい』という時期であり、親猿はこの時期、遠くから子猿を見守り、子供が何かで声をあげるとすっ飛んでいく。人間も学ぶべきところが多いのではないだろうか。
 この時期、子供が親に反抗したり、非行や問題行動に走ったり、いろんなことで苦しい思いをするかもしれない。しかし、それは成長の過程である。親として逃げず、共に成長することを心がけるべきだ。子供の荒れの背景には、親や友人に『こちらを向いてほしい。』というメッセージであることが多いのである。

    青年は目を離せ 心を離すな
 青年期にまでなると、完全に自立していくために、自分なりの生きがい、進路を歩んでいくときであるが、気持ちの上では、心を離してはいけないということである。いずれにしても、子育ての最終的な責任は親にあるという基本を忘れてはいけない。