※夢山・・・・・学校の隣にある学校林。子どもたちの学びのフィールド。
 取材 文/加納 美紀  撮影/小林秀銀
児童数47人の小規模校ながら、豊かな環境で育つ岡崎市立夏山小学校の子どもたち。校舎の横には畑が広がり、夢山にはニジマスの養殖池や水車小屋もあって、子どもたちの格好の遊びと学びの場になっている。
 取材に訪れた日、休み時間を利用して畑で作業しているのは5年生の子どもたち。寒さも汚れも何のそので、手を真っ黒にしながら里芋を掘り出して「見て見て!大きくておいしそうでしょ」と、収穫物を自慢げに差し出してくれた。
 99年にお寺の敷地を借り受けて始めた農園は8アールという広さ。地域の人に農作業のイロハを教えてもらいつつ、無農薬有機栽培にこだわって「夏山小」なりの野菜作りを進めてきた。
イモチ病がはやったとjときは天然塩や木搾液をまき、害虫が大量に発生したときもなるべく手で取り除いて農薬の使用は最小限におさえた。その甲斐あって、畑で獲れる野菜はご覧のとおり、プロ顔負けの見事な出来栄えだ。
 もちろん、見た目だけではなく味も折り紙つきのおいしさ。給食で野菜の本当のおいしさを知り、偏食が直ったという子声も多い。
 保護者のKさんもその一人で青野菜嫌いだった子供たちが、今では野菜を持ち帰っては「私が育てたものだから、今日はこれを使ってね」とせがむようになった。「給食で出た大根葉の炊き込みご飯がおいしかったからうちでも作って!と、新メニューを提案されることも増えましたね。」
 壊れて使えなくなった水車を教師や保護者、地元の協力も得て復元したのも99年。約30年ぶりによみがえった水車を使って米をつく。つきたての米を炊いたご飯が、給食で出されることもしばしばだ。水の流れ次第で水車の回る速度が変わるから、5分づきだったり7分づきだったりと長年の経験を生かし、米の色や手触りで精米作業をしていく。
 給食はランチルームに全校児童が集まって食べる。係の子が「里芋は〔なかま班〕、大根は2年生が育てて収穫してくれました。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、さらに「大根の葉には骨や歯を作るカルシウムが含まれ、根には消化を助けて丈夫な体作りに役立つジアスターゼが含まれています」と、食材の説明をしてから給食が始まった。
 自分たちで育てた野菜を収穫して食べるからこそ、「命をいただいている」ことに心から感謝できる子どもたち。魚の骨や野菜クズも捨てずに堆肥化し、川の水質浄化など環境問題にも積極的に取り組むなど、「食育」にとどまらない活動は、地域を巻き込んで定着し始めている。


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